抄録
本研究では、最終処分場の早期安定化を目的として、筆者らが開発してきた焼却灰を対象とした前処理方法(4mm/日散水、2mm/秒通気、30cm撒き出し、期間40日)の省スペース化についての検討を行った。検討した項目は以下の三つである、(1)散水の加速化、(2)通気量の増加、(3)撒き出し厚180cm。(1)散水速度を速めた試験では、焼却灰と水との接触時間が短くなり洗い出し効率が低下することが示唆された。(2)通気量を増加させたところ、pHが低下しCa等の塩類の溶出が促進される傾向が見られた。(3)撒き出し厚さを従来の約6倍、散水量を従来の9倍にして行った実験では、従来の処理と同様の前処理効果が得られることが確認され、1/6の省スペース化が可能であることが示唆された。本研究から撒き出し厚さを高くしても、散水量をコントロールすることにより十分な前処理効果を得ることが可能であることが示唆された。