抄録
本研究では、BTX、DCM、PCEなどの複数の揮発性有機化合物(VOC)によって汚染された不法投棄現場の廃棄物浄化のための原位置バイオレメディエーション技術開発のための基礎的実験を行った。まず、嫌気条件から好気条件へ切り替えるタイミングを検討するために、バッチ試験を行い、その結果、PCE及びTCEを嫌気条件下で分解した後に好気条件に切り替えることにより、これら複数のVOCの浄化が可能であることが分かった。次に、切り替え効果を検証するために、PCEとTCEの分解後、嫌気条件下にあったバイアル瓶のヘッドスペースを、空気に置換することによって、好気条件に切り替えた。その結果、切り替え時にバイアル内に残存していたcis12DCE、BTXの好気分解が確認された。また、嫌気条件下ではcis12DCEの分解により毒性の高いVCが発生したが、好気条件に切り替えることにより、VCの発生も抑制できた。