抄録
2002年7月にPCBを使用していない重電機器が低濃度PCBで汚染されていることが確認され、これらについてPCB特措法に基づいた処理が必要とされている。本開発では、誘導加熱を応用してPCBで汚染されている柱上変圧器のコア部分を直接発熱させることにより、効率的にPCBをコア部分から分離して無害化する装置の試作および性能確認を実施した。その結果、本装置により変圧器を処理温度(500 ℃)まで昇温するのに要する時間は2.4時間となり、従来法と比較して加熱時間を大幅に短縮できる可能性があることを確認した。また、加熱後変圧器各部位の残留PCB濃度を測定した結果、すべての部位において定量下限値未満となり、本装置により低濃度PCB汚染変圧器の無害化が可能であることを確認した。