抄録
福岡市南区A町を対象に,ステーション収集地点の形成過程がその規模に与える影響と,ばねばかりによる搬出重量の実測調査をもとにごみ袋の搬出実態を明らかにした.
その結果,ステーションの規模に関わらず,ごみ袋を搬出しない日のある世帯の存在が確認された.「有料制」の指定袋が導入されたことにより,重いごみ袋を持って長い距離を移動せざるを得ない世帯であっても,目一杯のごみを詰め込んで搬出する動機が強くなったと推測された.搬出距離が特に長くなるのは,収集車両が走行不可能な“狭小幅員道路”に面した住宅の居住世帯であり,その移動距離の最大値は173.3mを示した.ごみ袋重量との積による「ごみ搬出行動負荷量」では547.8(kg・m)となり,収集作業員が歩いてごみ袋を収集するなどの対応策が考えられた.