抄録
東アジア海域の海流の下流に位置する鳥取の8海岸で幾つかの民生用品の漂着数を2005年から2007年まで毎月数えた。民生用品の数は春季に少なく、夏から増加し、秋から初冬に多くなった。最多品はペットボトルであり、日本と中国由来物には1L未満の容量のボトルが多く、他方朝鮮半島とロシア由来物には1L以上のボトルが多かった。外国由来の民生用品は秋から初冬に多く、日本由来物は河川の水位が上昇する梅雨と台風期に増加した。この事実は日本由来物の多くが河川から流出することを示す。その結果、夏期の河口近傍の調査地点では日本由来物の割合が著しく高くなる。興味あることに、日本由来の小型ペットと室内用品の界面活性剤容器の月別流出傾向は類似しており、これらが同時に投棄されることが多いことを示唆する。