抄録
平成26年10月に,大分川水系の芹川ダムにおいて2-メチルイソボルネオール(MIB)が高濃度化し,本ダムの下流の河川表流水を水道水源とする大分市では大規模なかび臭障害が発生した。ダム湖内でのMIBが高濃度化時には,かび臭物質を産生するとの報告がある,藍藻綱のPhormidium tenue (P. tenue)やOscillatoria agardhii (O. agardhii)が確認されたが,遺伝子配列解析及びMIB産生能評価の結果,MIB産生生物はP. tenueであり,O. agardhiiはMIB産生能を有しないことが判明した。当市水道事業におけるかび臭障害対応に際しては,水道水のMIB濃度の低減化と需要者への情報提供が喫緊の課題であったことから,組織的対応を図るとともに,関係機関との連携,MIB濃度低減化に向けた浄水処理対応や水質管理対応を展開し,課題解決を図った。また,障害終息後もこれらの対応の強化を行っている。かび臭障害に対するこれらの一連の対応について考察した。