日本水処理生物学会誌
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報文
  • ―Chlamydomonas reinhardtii、Chlorella vulgaris、Euglena gracilisの比較評価―
    MAULANA AULIA, 森 一博, 遠山 忠
    原稿種別: 報文
    2026 年62 巻3 号 p. 37-53
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/15
    ジャーナル フリー

     微細藻類-活性汚泥(MAS)共培養法は、微細藻類による光合成酸素供給を利用することで機械曝気を低減し、排水処理とバイオマス生産を同時に実現できる省エネルギー型排水処理技術として期待されている。しかし、その性能が微細藻類の種を超えて普遍的であるのか、あるいは微細藻類の種によって異なるのかは十分に明らかになっていない。本研究では、微細藻類の種がMAS共培養系の排水処理性能、バイオマス生産、および細菌群集形成に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、Chlamydomonas reinhardtii、Chlorella vulgaris、Euglena gracilisの3種を対象に比較評価を行った。各微細藻類を活性汚泥と乾燥重量比1:1で混合し、1サイクル24時間、20サイクルの連続シーケンスバッチ排水処理実験を実施した。さらに、16S rRNA遺伝子アンプリコン解析により細菌群集構造を解析した。その結果、いずれのMAS系も活性汚泥単独系より高い窒素除去性能を示し、MAS技術が微細藻類種を超えて有効であることが確認された。一方、排水処理性能は微細藻類種によって大きく異なった。特にE. gracilis-活性汚泥系は、DOC、TNおよびTP除去率がそれぞれ83.6%、60.1%、75.9%と最も高く、バイオマス生産速度も42.2 mg/L/dと最大であった。また、E. gracilis-活性汚泥系では、硝化細菌および脱窒に関与すると考えられる細菌群が維持され、他のMAS系とは異なる細菌群集構造が形成された。以上より、微細藻類は活性汚泥と相互作用し、細菌群集形成を介してMAS系全体の機能を制御していることが示唆された。本研究は、微細藻類の種の選択がMASシステム設計における重要な要素であることを示すとともに、省エネルギー型排水処理と資源回収技術の最適化に向けた新たな設計指針を提示するものである。

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