2021 年 57 巻 1 号 p. 11-21
本研究では、都市公園池の水質浄化技術(エアレーションによる浮上分離と凝集沈殿の浄化システム)によるアオコ発生抑制効果について隔離水界手法を用いて評価した。公園池に隔離水界を設置し、試験区と対照区の水質について2.5年間の調査・比較を行った。アオコが発生する前の3月に浄化システムを稼働(3.5日)させることで懸濁物質を除去し、透明度を全透(1 m)まで改善した。その結果、対照区では毎年夏期にアオコの形成が観測されたのに対し、試験区では1年目の夏期におけるMicrocystis属の総現存量は対照区の13,700群体/mLに対して2群体/mLとなり、アオコの発生が抑制できることが明らかになった。さらに、2年目の夏期の総現存量も2,890群体/mLとなり対照区の6,170群体/mLと比較すると低かった。しかしながら、3年目の夏期の総現存量は4,800群体/mLとなり対照区の3,120群体/mLよりも増加し、アオコ発生抑制効果の消失が確認された。