日本水処理生物学会誌
Online ISSN : 1881-0438
Print ISSN : 0910-6758
ISSN-L : 0910-6758
奈良県室生ダム湖およびその流入河川の陸水学的研究
新井 博子渡辺 仁治瓢野 又一
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 13 巻 1 号 p. 7-12

詳細
抄録
1.室生ダムは, 奈良県の上水道用水供給源である。本研究は1974年12月から1975年11月までに, 図1に示す地点においてそれぞれ5回水質調査を行なった結果を報告するものである。
2.図2, 3に示す如く本湖では, 停滞期が著しく長く, 完全循環期はダムサイトのSt.3では1月と2月で, 取水口のSt.2では12月~3月の約4ケ月である。
3.本湖湖水中の無機N及びPO43-濃度が流入河川水の濃度と流量とから計算された値とほぼ一致することから, 本湖の水質は, 流入河川によって搬入される他生的物質によってほとんど決定されると考えられる。湖水の現状はpH分布, 溶存酸素分布, 水質分析の結果から典型的な富栄養湖である。
4.満水後, 2年も経っていない本湖が, 強度に富栄養化している現状は, 満水直後の水没有機物の分解よりも, むしろ流入河川の汚濁に起因すると考えられる。したがって, 流入河川の水質改善が目下の急務であると考えられる。
著者関連情報
© 日本水処理生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top