日本水処理生物学会誌
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河川水, 海水中のサルモネラと水質汚染指標菌の関連
国府 島泉
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1989 年 25 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

岡山市周辺の河川, 海域から10地点を選びサルモネラ検出を行い, 水質汚染指標菌との関連について検討した。
5回調査における50試料中23試料 (46.0%) からサルモネラが検出され, 糞便性大腸菌数, 腸球菌数の高い試料から検出される傾向が顕著であった。
実験結果から, 水と直接接触する水浴について水質基準の設定を試みると, 目標値は腸管系病原菌のサルモネラが検出されないことを条件にすると, 糞便性大腸菌数50個/100ml以下, 腸球菌数20個/100ml以下と判断された。また, 許容限度はサルモネラの検出が急増することを条件にすると, 糞便性大腸菌数1, 000個/100ml, 腸球菌数100個/100mlと判断された。
MF法を用いた試料濃縮と高温培養法を用いた選択増菌によるサルモネラ検出法は, 水浴場の水質検査に十分実用化できると考えられた。
本研究は, 第25回日本水処理生物学会 (1988年11月) において発表したものである。

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