紙パ技協誌
Online ISSN : 1881-1000
Print ISSN : 0022-815X
ISSN-L : 0022-815X
環境特集
紙パルプ排水への新しい排水処理技術の適用
中野 淳
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 58 巻 10 号 p. 1366-1372

詳細
抄録

紙パルプ排水の処理技術は,大量の排水を処理する必要性から,省スペース,省コスト処理が求められている。その要求を満たす排水処理システムとして,3種類のシステムについて事例を紹介する。
1) 高効率型嫌気性排水処理「バイオベッド®」システム
グラニュール状のメタン菌を利用して,排水中の有機物を分解する技術であり,従来の活性汚泥法と比べて,超高負荷運転が可能,電力消費量が少ない,汚泥発生量が少ない,バイオガスからエネルギー回収が可能,といった特徴を有している。
2) 省スペース型排水処理「スミスラッジ®」システム
活性汚泥法に高速凝集沈殿装置「スミシックナー®」を組み合わせたシステムで,大幅な省スペース化を計ったシステムである。活性汚泥濃度を高く保つことができるため,処理の安定化も計れる。
3) 膜分離活性汚泥システム
曝気槽内に膜ユニットを直接浸漬し,槽外から吸引ポンプで膜透過水を取り出す処理法であり,清澄で安定した処理水質が得られる,メンテナンスが容易,沈殿槽が無く大幅な省スペース化が計れる,といった特徴を有している。

著者関連情報
© 2004 紙パルプ技術協会
前の記事 次の記事
feedback
Top