紙パ技協誌
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最新号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
省エネルギー特集 I
  • エネルギー委員会
    原稿種別: 会議報告
    2024 年 78 巻 6 号 p. 481-483
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/01
    ジャーナル 認証あり
  • 毛受 義博
    原稿種別: その他
    2024 年 78 巻 6 号 p. 484-490
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/01
    ジャーナル 認証あり

    燃料アンモニアは,燃焼時にCO2を排出せず,カーボンニュートラルの実現に向けた次世代エネルギーの一つとして注目されている。IHIグループにおいて,将来の脱炭素事業の中核に再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニア製造事業を据えている。

    また,当社では,将来的な燃料アンモニアの大量消費を見据え,グリーンアンモニア製造のみならず,輸送・貯蔵・利活用技術開発までのバリューチェーン構築に向け,幅広い活動に取り組んでいる。

    上流の製造においては,インドやオーストラリア等の再エネ資源の豊富な国にて,より安価なグリーンアンモニア製造に向けた調査・検討を進めている。中流の輸送・貯蔵では,輸送時もCO2を発生させないアンモニア燃料の船舶開発や,大規模受入拠点整備に向けたLPGタンクの転用,大型貯蔵タンクの開発にも取り組んでいる。そして,下流の利活用においてはボイラやガスタービン,ガスエンジンといったアンモニアの利活用技術開発を進めている。

    IHIグループは,グリーンアンモニアバリューチェーンを早期に構築し,国内外の脱炭素化を推進し,持続可能な社会の実現に貢献していく所存である。

  • 大平 達彦
    原稿種別: その他
    2024 年 78 巻 6 号 p. 491-495
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/01
    ジャーナル 認証あり

    いわき大王製紙株式会社は2023年2月より5号リサイクルボイラー(三菱重工パワーインダストリー株式会社)の営業運転を開始した。

    5号リサイクルボイラーの特徴として,蒸気温度を300℃程度とすることでボイラーチューブのメタル温度を腐食域から遠ざけ,塩素による高温腐食を低減する仕組みが挙げられる。これにより 従来の設備では使用が難しく,埋立や単純焼却されていた廃棄物由来の燃料等,多種多様な廃棄物が使用可能となる点が最大の強みである。

    試運転のトラブルとして,大きなクリンカが発生した。これは,RPFとA重油を混焼させたことにより局所的にバーナー廻りの流動砂が高温となり,溶融した流動砂と「燃焼灰」や「層内で生成したアグロメ」が混ざり合ったためである。この問題は燃料の組み合わせを見直すことで改善し,再発していない。また,試運転当初より層内蒸発器管を保護している溶射膜の摩耗が発生しており,連続操業の目標に向けてメーカーと管の延命対策を進めている。

    本稿ではこのリサイクルボイラーの設備概要と操業経験,トラブル事例について報告する。

  • ─省エネルギーと二酸化炭素削減を実現─
    藤本 陽太
    原稿種別: その他
    2024 年 78 巻 6 号 p. 496-500
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/01
    ジャーナル 認証あり

    脱炭素の動きが活発化している。世界で150カ国以上が2050年等の年限を区切ったカーボンニュートラル(CN)の表現を表明。日本においても2020年に2050年CN宣言。さらに燃料価格上昇による電力価格高騰もあり,大量の電力を消費する我々製造業においては省エネを進めていくことが喫緊の課題である。特に製紙業界ではパルプ化工程での原料水,製紙工程を含めたボイラ周り,各種冷却水等多くの水を利用しており,それらを送水するポンプが多くの電力を消費している。このことから,工場内のポンプで消費する電力を削減することが工場全体の省エネを進めていくことになりポンプでの省エネが重要であることがわかる。

    しかしながら照明のLED化や省エネタイプ空調設備導入等に比べポンプは規格品ではない。また機器選定が難しいこと,製品寿命が長いことから更新タイミングが少なく省エネの対象機器に挙がり難いのが現状である。

    弊社は長きにわたり高効率ポンプの開発と省エネに向けた運用アドバイスを行っており,多くの省エネ達成実績をもっている。その経験を基に本稿では弊社が行う省エネ提案活動の紹介,及び製紙業界で使用するポンプの省エネについて白水系,ボイラ周り,冷却水系の3つの系統に対し高効率ポンプ採用,ポンプ仕様最適化等それぞれの手法を紹介していく。

  • 池田 宜将, 村田 光弘
    原稿種別: その他
    2024 年 78 巻 6 号 p. 501-506
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/01
    ジャーナル 認証あり

    日本製紙岩国工場は山口県東部を流れる錦川の2箇所の水源地から4台のポンプを使用して4㎞以上離れた工場から遠隔監視および操作をして工場へ用水を安定供給している。その一つの第2水源地の原水ポンプ2台(巻線型高圧モータを使用)を商用電源駆動からインバータ駆動へ改造して5,600 MWh/年超の大きな省エネ効果を得た。

    第2水源地は住宅街と隣接しており振動や騒音といったリスクを抱えているが,設置時に事前検討した振動・騒音対策,インバータ化による発雷時の瞬低対策,インバータ故障等のトラブル時に用水を安定供給するためのバックアップ運転について発表するとともに,原水ポンプ2台をインバータ化する過程において予想外の振動・騒音が発生した件や,その他に経験したトラブル内容について紹介する。

総説・資料
  • ─三浦工業社製蒸気駆動エアコンプレッサ─
    榊田 賢
    原稿種別: その他
    2024 年 78 巻 6 号 p. 507-510
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/01
    ジャーナル 認証あり

    省エネルギー,CO2削減の要求が高まる中,事業所の消費電力の2~3割を占めると言われるコンプレッサの省力化は重要である。ランニングコスト・CO2排出量を共に約90%削減できる「蒸気駆動エアコンプレッサ」を用いた,工場全体の蒸気・熱の有効利用を提案する。

    事業所において,蒸気は熱源として使われている。一方で蒸気はエネルギー媒体として圧力も高いため,動力源として活用することが可能である。

    従来システムにおいて,ボイラで発生した高い圧力の蒸気は,減圧弁を用いて蒸気機器に適した温度・圧力まで下げて利用される。蒸気駆動エアコンプレッサは,この減圧弁の代わりとなる物で,減圧弁が調圧機能を果たしながら同時に圧縮空気を生成していることになる。

    また,空気を圧縮すると,圧縮熱により高温の圧縮空気となる。圧縮空気を利用する機器では熱が不要であるため,従来のコンプレッサではクーリングタワーなどの冷却機器を利用して,圧縮熱を大気に棄てている。この棄てられていた圧縮熱を蒸気駆動エアコンプレッサでは冷却水に熱回収する事で最大85℃の高温水として取り出すことができる。この高温水をボイラへ供給することで,蒸気化する際に必要な燃料を節減する効果がある。

  • 四方 修平
    原稿種別: その他
    2024 年 78 巻 6 号 p. 511-514
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/01
    ジャーナル 認証あり

    多様化する環境問題に対する企業の取組みの重要性がますます高まっている事を背景に,化石エネルギー起源CO2排出量(2013年度比)を2030年度に46%削減を目標にレンゴー株式会社利根川事業所では建築廃材の木質チップ,RPF,廃タイヤといった3種類の固形燃料を混合して使用する3号バイオマスボイラを2022年9月に新設した。バイオマスボイラの主要目は,既設ガスボイラと同等となるように計画し,既設ガスボイラを予備缶とした。

    今回は,このバイオマスボイラの設備仕様概要及びその特色,試運転以降の操業経験とトラブル事例について報告する

  • 福井 照信
    原稿種別: 会議報告
    2024 年 78 巻 6 号 p. 515-520
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/01
    ジャーナル 認証あり

    インド紙パルプ技術協会(Indian Pulp and Paper Technical Association)から39名が来日し,工場見学とテーマ発表・懇親会を内容とする技術交流会を開催した。

    工場見学は,3月4日-6日に,レンゴー株式会社八潮工場,イチカワ株式会社柏工場,王子マテリア株式会社富士工場,日本製紙クレシア株式会社興陽工場および北越コーポレーション株式会社新潟工場を訪問し,テーマ発表と懇親会は,3月7日に紙パルプ会館で開催した。

    テーマ発表では,IPPTAからインドの紙パルプ産業の状況についての発表があり,インドには569か所の製紙工場があること,2022-23年での生産能力は3,200万トン,生産量,需要量はともに約2,650万トン,使用原料別では古紙パルプが約8割を占めており,GDPの今後の伸びと同様に紙需要も大きく伸びるという報告があった。日本側からは,IPPTAの希望に基づき,⑴日本の製紙産業の課題とCO2排出ゼロへの取組み,⑵将来の原料確保(木材,古紙),⑶業界のイメージ向上策,⑷水管理戦略・節水,⑸設備の信頼性確保策,予防保全取組み,⑹AI活用による自動化取組みと操業員の能力向上取組み,⑺政府,業界,関係機関との協力 について発表した。

シリーズ : 大学・官公庁研究機関の研究室紹介 (157)
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