紙パ技協誌
Online ISSN : 1881-1000
Print ISSN : 0022-815X
ISSN-L : 0022-815X
一般講演
RPFボイラの操業経験
松原 俊六
著者情報
キーワード: U4ボイラー, X7産業廃棄物
ジャーナル フリー

2005 年 59 巻 1 号 p. 108-114

詳細
抄録

王子製紙 (株) 苫小牧工場は北海道の豊かな森林資源と支笏湖水系を利用した水力発電を背景に, 1910年に操業を開始して以来, 王子製紙の基幹工場として新聞用紙の供給を通し我が国の文化, 経済の発展に貢献し, 現在では世界最大級の新聞用紙生産工場として安定供給という社会的使命を果たしている。
当社では「王子製紙環境憲章」を制定し, 「再生紙としてリサイクル困難な古紙をエネルギーとして回収するサーマルリサイクルの推進」を掲げている。RPF (再生紙としてリサイクルできない古紙と廃プラスチックで製造される固形燃料 : Refuse Paper & Plastic Fuel) の利用をその大きな柱として位置づけており, 現在推進中であるマテリアルリサイクルと組み合わせることによって資源循環型社会に適合した「古紙のカスケード利用」 (古紙の品質に合わせた有効利用) を積極的に推進している。
上記のことを受けて, 化石燃料と代替できるクリーンな新エネルギー・RPFを積極的に利用し, CO2排出量を大幅に削減できると同時に廃棄物削減および有効利用が出来るRPFを主燃料とした世界初の高温高圧循環流動層型ボイラ (12.3 MPa, 569℃, 260 t/h) を完成させた。'04年4月末に使用前安全管理審査に適合し営業運転に入っている。
本稿では, 新設したRPF (第6号) ボイラ設備の概要とその特徴および試運転からこれまでの操業経験について報告する。

著者関連情報
© 2005 紙パルプ技術協会
前の記事 次の記事
feedback
Top