紙パ技協誌
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製紙技術特集 I
最新ドライヤ技術
―Voith社ハイドライヤの紹介―
泰井 修
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2005 年 59 巻 12 号 p. 1767-1770

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抄録

湿紙がドライヤシリンダから離れる部分では真空力, 遠心力, 接着力が働き, これらの力に応じたテンションが湿紙に掛かる。抄紙機速度が増すに従いこれらの力も増加していくため, 求められる湿紙強度はますます高くなってきている。今後さらに抄紙機速度をアップさせるためにはシリンダドライヤ入口のドライネスをさらに上げることが必要になる。しかしドライネスを上昇させるためにシュープレスを設置しプレスニップ圧を上げることはバルクの減少を招くため, バルクが重要な紙種ではプレスニップ圧アップには限界がある。このためプレスパートと現状のシリンダドライヤの間に新しい乾燥装置を設置することが望まれる。
これに応えるためにVoith社が開発したのがハイドライヤである。ハイドライヤはインピンジメント乾燥による最新の乾燥装置で, Voith社テストマシンに設置され, LWCでウエットリールスピード2,240m/minの最高スピード新記録を達成した。ハイドライヤを設置することによって (1) 高品質紙においてもスピードアップすることができる, (2) 強度の低い原料を使うことができる, (3) 抄紙機長さを短かくすることができる, 等の大きなメリットが得られる。

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© 2005 紙パルプ技術協会
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