2005 年 59 巻 7 号 p. 985-992
古紙リサイクル率の目標を上回る進捗は原料の低級化を招き, 一方, 環境負荷軽減対策や製品の高品質化の目標は, 年々厳しくなり古紙原料の異物除去技術は, 従来技術では対応しきれなくなっている。
特に, DIPは白さ, 色相, 不透明性, 紙力や高速抄紙, 高速印刷性等, 様々な品質要求があるため古紙処理システムの中で最も工程が長く複雑になる。工程が進むに連れこれらの除去は困難となり, 一方では白色度・明度が上昇して行くため微量微小であっても目立ち始める。
異物除去=見栄え, きれいさの追求は, 機器単体の性能追求だけではなく, 他のサブシステムとの組み合わせを踏まえたトータルシステムとしてエンジニアリングされなければならない。
DIP中の異物で最も厄介な粘着異物に着目し, Loop 1内のパルパとスクリーンに関する新しいコンセプトと実施例を紹介する。