紙パ技協誌
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製紙技術特集 I
ゲルビューセンサによる塗工乾燥システムの最適化
増田 淳一
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2006 年 60 巻 12 号 p. 1824-1832

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抄録

当社では,抄紙機におけるウェットパートからリールまでの全パート測定や最適化制御を行うための新しいセンサ/制御技術を開発し,日本国内でも昨年から販売を開始している。その中でも海外にて技術や実績が評価され,表彰されたGelView(ゲルビュー)というコーターパートに焦点をおいたセンサ/制御技術について紹介する。
ゲルビューセンサは,高輝度LEDから発せられた光を塗工層表面にある角度で照射し,その反射光を二つの異なった角度の受光部で受ける。その二つの受光量の違いにより塗工層の乾燥状態を判断し,数値化する。その数値化されたものをゲル値と呼び,塗工層乾燥の進行具合をこのゲル値で表現する。また,このセンサを流れ方向に数点設置することにより,塗工層乾燥状況を流れ方向でプロファイル化することができる。
このセンサ/制御技術により,塗工紙の問題点のひとつであるバインダーマイグレーションの解決や様々な要因により影響を受けていた品質問題の改善が図れることになる。また,最適な制御により製品の品質安定化や乾燥エネルギーの削減,或いは製品の増産にも繋がることとなる。
この技術により,塗工技術に更なる貢献が期待できる。

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© 2006 紙パルプ技術協会
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