紙パ技協誌
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総説・資料
紙用低密度化剤
―マスクートシリーズ―
友田 裕一田中 多加志向川 陽一
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2006 年 60 巻 8 号 p. 1161-1166

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抄録

近年,嵩高紙と呼ばれる低密度化してある紙が登場し,書籍用紙や板紙等多くの用途で使われている。嵩高紙とは,嵩の出るパルプを多量に配合したり,嵩の出る薬品や填料を添加したりして,低密度化した紙の事をいう。
日華化学はサイズ付与型のカチオン系低密度化剤の開発を先駆けて行い,マスクートK―300を市場に投入した。マスクートK―300は,低密度化作用の他にサイズ付与,不透明度・白色度向上,柔軟性付与などの紙の改質効果がある。また,操業での発泡性が低く,ピッチトラブルが少ないなどの特徴がある。また,当社ではカチオン系低密度化剤にこだわり,更なる低密度化の性能向上を求めて開発を行っている。これまで,カチオン系低密度化剤はエマルジョンが主流であったが,固体のカチオン系低密度化剤マスクートKF―2000を開発したので,その特徴と応用例を報告する。

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© 2006 紙パルプ技術協会
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