2006 年 60 巻 8 号 p. 1202-1208
本研究は,高真空脱水装置における紙層形成過程で,化学パルプ繊維の外部フィブリルが,填料のリテンションに及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。内部フィブリルを一定に保ちながら外部フィブリルの程度に変化を与えるため,超高精細磨砕機を使用した。薬品が添加された系では,繊維の内部フィブリル化が進むと填料粒子の補足もそれに伴って増加したが,外部フィブリル化をメインに進めると,その補足は一層高いものとなる。内部フィブリルを変えることなく外部フィブリル化のみを進めることは,填料のリテンションをコントロールする手段として使うことができる。