紙パ技協誌
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総説・資料
Low Intensity 叩解
―叩解機と叩解刃物の取り組み―
藤田 和巳
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2007 年 61 巻 2 号 p. 153-162

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抄録

古来より紙製品の特性を決定する重要な工程である叩解の形態は製紙原料,抄紙技術とともに変遷してきた。この観点から主な原料であるLBKPと古紙原料の繊維長がともに短くなってしまった今日は,叩解工程の新たな転換点にあると考える。繊維長が短く,フリーネスがはじめから低い原料をどのように叩解し,特性の優れた紙を大量に,低コストで生産するかと検討すると,当然のように従来のカッティング叩解だけでは対応しきれないことに思い至る。繊維長をなるべく保持したまま,繊維の形態を変化させて紙力強度を改善する粘状叩解,Low Intensity叩解は抄紙機のプロファイル制御が未熟な時代に紙力強度を得るために必要な技術であったが,今また注目しなければならない技術となった。ただし,今回の対象は以前のように繊維長の長い針葉樹ではないために,以前とは叩解刃物も叩解機自体も変わらざるを得ない。本書はこの様な背景での弊社のLow Intensity叩解への取り組みを紹介,報告する。

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© 2007 紙パルプ技術協会
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