2008 年 62 巻 2 号 p. 128-132
平判包装給紙作業は積層上紙,下紙の除外,不良リームの除外や紙厚の変動等による紙癖に合わせた給紙などオペレーターが介入する要素が多い。特に紙癖はその都度状況が変化するため,紙に合わせた調整が必要となる。カッターマシン紙揃えを例に取っても未だ,紙のコシ,カール等に合わせたオペレーターの技術に頼る部分が多い。ありとあらゆる癖の紙をすべて自動給紙することは非常に難しい。仮に,全てを自動化した場合,装置の多軸化による開発コストの増や生産性の低下が予想された。重労働な上に付帯作業も多く,しかも機械化しにくいパートでありながら,給紙作業を自動化する場合には完全自動化が求められる。これらファクターの為,手の出しにくい設備であったが諸問題をクリアする為に開発した『半自動給紙装置』の開発経緯と操業経験を紹介する。導入後は重労働から解放され,平判製品監視,他付帯作業への従事が可能となっている。尚,『半自動給紙装置』は日本大昭和板紙東北株式会社,株式会社ピーコム,株式会社サーボアームと共同開発した。