紙パ技協誌
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一般講演
パワープラント最適運用システムの導入事例
斎藤 正幸
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2009 年 63 巻 3 号 p. 265-271

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抄録

製紙工場の動力設備は,複数のボイラ,背圧タービン,抽気タービン・工場送気が複雑に構成されており,石炭・重油・ガス・黒液・廃棄物など多種の燃料を効率良く焚きながら,電力デマンド,電力売買,蒸気デマンドなどの多様な要求を満たす運用が必要となる。運用上の制約範囲内で工場電力と抽気流量のデマンドを満たしながら,かつ発電コストやボイラの燃料コストを最小とするボイラ,タービンの負荷バランスを求め,動力エネルギー費用を低減すること,および,オペレーターの負担軽減,個人差による運用の違いを無くすることを目的に「パワープラント最適運用システム」の導入を実施した。
本システムの稼働によりある一定のコスト削減を図ることができた。今後更に導入効果をあげるために既設DCSの制御性改善,デマンド変化の先行検知等の改善策を進めて行く。本稿ではこの導入事例として,最適運用システムの紹介,システム構成,既設DCS,タービンガバナ装置との接続,制御方法,オンライン制御機能,運用調整事例,運用上考慮した点,導入効果について紹介する。

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© 2009 紙パルプ技術協会
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