紙パ技協誌
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一般講演
バイオマスボイラーの操業経験
御宿 誠一
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2010 年 64 巻 1 号 p. 71-75

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抄録

当社岩国工場は,年間76万tの生産能力で塗工紙・情報用紙を主に生産しており,当社グループ内に於いても重要な基幹工場のひとつである。世界的に環境保全への要求が高まる中,当社グループでは環境憲章を定め地球温暖化防止対策の推進を掲げており,化石エネルギー起源のCO2排出原単位を2010年度までに1990年度比16%削減することを明言している。これを達成する為,燃料転換を目的として設置したボイラーは,グループ全体で11缶となり,岩国工場バイオマスボイラーについては,グループ内で5缶目に設置された。今回は,このバイオマスボイラー(循環流動層ボイラー)の概要並びに試運転以降の操業経験から注意点と主なトラブルについてそれぞれ報告する。
さらに操業上の注意点として,燃料中の塩素濃度に対するこれまで以上の配慮の重要性について述べると共に,重要なパラメータである炉床温度管理と他箇所の温度管理と両立させる為に取っている工夫について報告する。 主なトラブルについては,ガス式空気予熱器管で発生した腐食と,火炉天井管・火炉壁管の減肉についてそれぞれ報告する。

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© 2010 紙パルプ技術協会
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