紙パ技協誌
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総説・資料
高精度クロムめっき被覆コーターブレードの開発
―高品質塗工紙を具現化しうる新規ブレードの開発―
岸 洋文
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2010 年 64 巻 10 号 p. 1171-1174

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抄録

弊社は1916年以来,表面処理業を営み今日に至っているが,その間に培われた技術を基盤に1990年に製紙業界の抱えるテーマ“コーターブレードの長寿命化”に着手し,「特殊なクロムめっきを被覆した長寿命被覆コーターブレード」を開発し,当時は少なくともSK材の3倍以上の長寿命を有するコーターブレードを今日迄販売してきた。販売当初より,2009年6月末までの約19年間に納入したベント及びベベルタイプを合わせたコーターブレードの累計は,187,605枚に及んでいる。長寿命以外の弊社製コーターブレードの大きな特徴として,クロムめっき固有金属特性に由来する塗工紙の面質向上やストリーク低減効果があり,未だに各製紙会社殿で大変ご好評頂いている。しかしながら,顧客のコスト及び品質に対する改善要求は,年々厳しくなっており,弊社製のコーターブレードの更なる延長化とストリーク低減を目指して,長年開発を継続した結果,従来品の紙塗工品質を維持したままで,長寿命化を厚膜化と皮膜構成材によって達成し,また高プロファイルの再現性を刃先形状の高精度化で達成した“高精度クロムめっきコーターブレードの開発に成功した。

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© 2010 紙パルプ技術協会
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