生物多様性条約は1992年に採択され,今年10月には第10回締約国会議(COP10)が愛知県名古屋市で開催される。日本においても,2008年に生物多様性基本法が制定され,2010年には生物多様性国家戦略2010が策定されるなど,生物多様性に関する様々な取組が進められている。しかし,2010年に公表された生物多様性総合評価によると,人間活動に伴う我が国の生物多様性の損失はすべての生態系に及んでおり,全体的にみれば損失は今も続いていることが報告されている。COP10を契機として,生物多様性の保全と持続可能な利用に向けた取組をさらに加速,進展させていくことが必要である。