抄紙機のドライヤーパートは,プレスパートから湿紙を受け取りドライヤー内を搬送する間に,乾燥を促進させて所定の紙質に仕上げる役目を担っている。湿紙の乾燥は「熱」を有効に且つ効率的に利用することであるが,加えて「風」が必要であることも理解されている。
最新の多筒式抄紙機の抄速は2,000m/minに達しつつあり,カンバスが走行することによって発生する風の流れ,いわゆるカンバス随伴空気流の測定実験を行った。各種のカンバスを試料に用いて随伴流を測定した。実験結果に基づき随伴流に関する観察結果を報告する。