紙パ技協誌
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研究報文
連続走行紙における剪断ジワ発生要因の解析
小林 孝男
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2011 年 65 巻 9 号 p. 928-935

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抄録

抄紙機や輪転機などの連続走行紙(巻取紙)の搬送において,紙要因によるシワのトラブルはその発生メカニズムが判然としないため対応に苦慮する場合が多い。そこで,シワがローラに乗り上げて折ジワにつながる前段階としての剪断ジワが,紙要因で発生する条件について,紙の走行性の観点からFEMを用いて理論的な考察を行った。
その結果,配向角の傾きやテンションのプロファイルといった紙由来の要因により,走行紙の横移動を生じる可能性があることが判明した。これは,張力が負荷されることによって紙が駆動ローラ上で剪断変形し,その状態のまま摩擦搬送されることによって起こると考えられる。
さらに,紙の張力と横移動によって生じた剪断ジワが,ローラ上に乗り上げて折ジワへと成長する過程を解析する手法についても検討を行った。シミュレーションによって幅広の紙で折ジワを再現するには,膨大な要素メッシュ数を必要とするが,シワが乗り上げる場合に紙が塑性変形することに着目し,弾塑性解析を応用することで折ジワの発生を追跡可能であることを示した。

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© 2011 紙パルプ技術協会
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