紙パ技協誌
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省エネルギー特集 I
LED照明による節電
―課題と対策―
小宮 章利
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キーワード: U7電気, X1環境総論
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2012 年 66 巻 6 号 p. 603-608

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抄録

照明は自然界の光から人工光の利用へと変わり,暗闇を照らすのが当たり前になった今日である。これらの人工光源は白熱電球,蛍光ランプが中心を占める中で,昨今LEDが光源として台頭し始め,十分な明るさを得られるようになった。
LED素子は半導体であり,TVなどの回路に使われるトランジスタやICなどと同じ仲間であるが,光を発する点が違う。半導体だから寿命が長く,少ない電力で明るく光るメリットを有する。このLED素子は,1個では光量が少ないので多数個集めて光らせると,照明に使えるほどの光量が得られる。LED電球は,価格は高いが従来の白熱電球と手軽に交換して使えるので,節電指向の高まりと共に需要が増えた。次第に光の広がり方が従来の白熱電球と違うので,同じ表示の明るさでも部屋の全体の明るさや器具装着時の雰囲気が変ってしまう課題も判明し,種々の改良がなされることになった。
一方,放電で点灯する蛍光ランプは,いわば抵抗体であるLEDとはそもそも互換性が無いし,蛍光灯器具の内部にある点灯回路の多様性により,LEDを装着して点灯するのは難である。しかし使用出来るとして販売される直管形LEDランプには不具合情報もでてきた。取り付けて目が痛くなった例や,TVが写らなかったり,ラジオが聞こえなかったりする雑音障害などである。また,発煙や早期不点などランプ・器具として不完全なものも出始めた状況にある。ここでは,LED電球や直管形LEDランプの課題とその解決策の一端を述べる。

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© 2012 紙パルプ技術協会
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