紙パ技協誌
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総説・資料
東南アジアにおける製紙技術の最新動向
佐藤 一成
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2013 年 67 巻 11 号 p. 1262-1276

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抄録

東南アジア―ASEAN10ヶ国の中で,IHIフォイトペーパーテクノロジーとの関係が特に深いベトナム・タイに焦点をあて,2012年度Vietnam Pulp & Paper Association発行資料及びThe Thai Pulp and Paper Industries Association発行“Thailand Pulp and Paper Industry in2011”を基に両国における最近の製紙産業動向を調査した。
ベトナムでは需要超過がまだ続く見通しであり,なおかつ人口増や経済成長も継続的に見込め,東南アジア諸国の中でもまだ市場成長の可能性を秘めている。環境規制から,グリーンフィールドからの新工場建設のためのライセンス取得問題があるものの,ライセンス取得済の既存工場の拡大が可能性としてあげられる。タイ国は,現在供給過剰傾向との見方もあるが,洋紙・板紙産業の総需要は,今後継続的に年4%増加すると推測されている。
各々の市場環境で,またお客様のニーズに沿った最適且つ最新技術を装備した代表的な2台のマシン,2008年4月タイにて稼動を開始した上質印刷・筆記用紙及びコピー用紙製造用抄紙機フェニックス・パルプ・アンド・ペーパー社コーンケーンPM1マシン及び2009年4月ベトナム最大級の段ボール原紙製造用抄紙機VKPC PM#1の近況について報告する。

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© 2013 紙パルプ技術協会
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