紙パ技協誌
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総説・資料
機能紙というジャンルの形成
―機能紙研究会の50年の技術の軌跡―
小林 良生
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2013 年 67 巻 4 号 p. 398-407

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抄録

特定非営利活動法人機能紙研究会は,1962年に前身の化繊紙研究会として発足し,その後1982年に機能紙研究会と名称変更した組織であるが,2012年に半世紀を恙無く迎えることが出来た。
同組織は当初工業技術院四国工業技術研究所と四国の製紙関係の公設機関が製紙,繊維企業と連携して化合繊の抄紙技術を研究開発することを目的として設立したものであるが,抄紙用繊維を天然繊維,化合繊に限らず無機繊維,金属繊維などまで繊維状のものを広く研究対象にして,高性能,高機能性で付加価値の高いシートをつくることをターゲットとするように設立趣旨を拡大した。お陰で組織も全国に拡大され,その歩みとともに紙パルプ分野に「機能紙」というジャンルが形成され,「汎用紙」と並んで中堅企業が取り組む分野となった。
拙稿では同研究会の歩みを10年ごとに分け,その時々にどのような課題に取り組んできたかを回顧し,取り組んできた課題を大まかに展望した。

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© 2013 紙パルプ技術協会
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