紙パ技協誌
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省エネルギー特集 I
BTG管理システム ―FEMS―による運用効率化と業務改善
海野 友宏青木 啓志
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2013 年 67 巻 6 号 p. 628-632

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抄録

近年,地球環境問題への関心の高まり,電力不足問題への対応から,工場全体のエネルギー最適化を行うFEMS(Factory Energy Management System)への関心が高まっている。FEMSを用いて工場の自家発設備を最適制御することで,工場でのデマンドを満たした上で,消費エネルギーの削減が可能である。FEMSを用いることで,工場の年間のエネルギーコストに対して0.5~1%程度のコスト削減,温室効果ガス排出量の削減があることを確認している。FEMSによる制御の評価はコストで算出しているが,削減されたコストの分の消費燃料を削減しており,燃料を燃焼させた際に生じる温室効果ガス排出量の削減に貢献しているといえる。
弊社は2003年にFEMSを開発してから,多数のお客様に提案,納入をしてきた。その中で得られた要望,改善策をFEMSに盛り込み,開発を続けてきた結果,精度の高い制御と魅力的なサポート機能を有するシステムとなった。本稿ではFEMSの最適運転の概念を説明し,FEMSのシステム構成とオンラインFEMS,オフラインFEMSの機能について述べた後,付加価値となる機能の一部である,FEMS導入後のコストメリットを正確に算出するシミュレーション機能,コスト最適化,温室効果ガス排出量の最適化など多目的最適化演算を可能とする手法について紹介する。

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© 2013 紙パルプ技術協会
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