抄録
オゾンは酸素原子が3つ結びついた分子で酸化力の強い気体である。
製紙業界では,パルプ漂白用にオゾンが使用されている。しかし,パルプ漂白に必要なオゾン発生量が多いため,オゾン発生に必要な電力コストの増加,及びオゾン発生器の大型化の課題があった。当社ではオゾン発生の高効率化,及びオゾン発生器の大容量化(コンパクト化)を実現できたのでその取り組みについて紹介する。
オゾン発生の高効率化は,オゾンを発生する際の放電の隙間である放電ギャップ長に着目して検討した。放電ギャップ長を短くする「短ギャップ化」により,放電で生成する電子のエネルギー分布を高い方にシフトできた。
その結果,オゾンを分解する低エネルギー電子が減少しオゾン生成に必要な高エネルギー電子が増加したため,オゾン発生の高効率化が実現できた。オゾン発生器の電力原単位は,オゾン濃度12wt%で従来より約27%削減されている。
オゾン発生器の大容量化(コンパクト化)は,同一オゾン発生器(缶体径)における放電面積の増加と単位放電面積当たりのオゾン発生量の増加に着目して検討した。従来の放電管よりも直径の細い細管の採用により,放電面積を4倍に増加した。また,短ギャップ化により単位放電面積当たりのオゾン発生量を2倍に増加した。
その結果,同一オゾン発生器(缶体径)の場合,オゾン発生量は従来の8倍に大容量化が可能となり,同一オゾン発生量の場合,オゾン発生器(缶体径)は従来の1/√8(≒1/2.8)にコンパクト化が可能となった。