紙パ技協誌
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環境特集
新潟工場 用水使用量の削減
―ミニマムインパクトミルをめざして―
団野 武亘
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キーワード: X1環境総論, U3用水
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2016 年 70 巻 12 号 p. 1235-1238

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抄録

北越紀州製紙では,環境に対する考え方として,環境に与えるあらゆる負荷を最小限にする「ミニマム・インパクト」を掲げており,これまでにも地球温暖化対策としてのCO2排出量の削減や大気汚染対策,水質汚濁対策を実施し,ミニマムインパクトミルの構築を目指してきた。特に,主幹工場である新潟工場では,その規模が大きいことからも,全工場をリードする各種の取組みや設備投資を積極的に実施してきた。節水についてもその考え方は同じであり,その中から9号抄紙機新設時における節水の取組みについて,いくつか事例を紹介する。

既存部門における節水対策としては,マシン排水濾過装置処理水に水質変更が可能な箇所を選択し切り替えることで,節水を図ることとした。処理水への切り替えにあたり,既存の濾過装置だけでは,全ての箇所に処理水を供給するのは困難であったため,新たにマシン排水濾過装置を設置することとした。

新マシンにおける節水対策としては,9号抄紙機のような大型マシンを稼働するにあたっては,新設するマシンの節水対策も欠かせないものであった。ディスクフィルターにより発生するクリア水を浸透膜の利用によってさらに清澄化し,従来のクリア水でも使用できなかった薬品希釈水やワイヤー高圧シャワー水に利用し,用水使用量の削減を図るために,オプティフィルターCR1010/100を導入した。

節水をすることにより,排水と共に流失する熱量分のエネルギーロスが減少し,省エネとCO2排出量の削減にもつながる。

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