2017 年 71 巻 11 号 p. 1322-1329
世界では,1990年頃を境に,日本と同じように古紙の利用が加速,木材パルプの生産量が頭打ちとなり,紙・板紙の生産量増のほとんどを古紙がまかなうようになった。地域別では,ヨーロッパ,とくにドイツが日本と同じ動きで古紙利用を推進した。一方,アメリカの古紙利用は限定的で,利用率は,新聞用紙で21%,板紙で27%(主力が針葉樹パルプのクラフトライナー),回収した古紙の40%を輸出(主として中国)している(2015年)。中国は,2000年以降,輸入古紙をベースに急激に紙・板紙の生産量を増している(世界第1位の生産量である)。
2013年FAOの統計では,世界の紙・板紙生産量4億トンに対し,木材パルプ生産量1.7億トン,古紙利用量2.2億トン,古紙利用なしでは製紙産業は成り立たなかったと言える。
なお,日本での他産業のリサイクル率(2012-2014年)は,板ガラス(35%),鉄(25%),銅(24%),アルミニューム(29%)で,製紙産業は自信を持って広言できるリサイクル型産業である。