紙パ技協誌
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総説・資料
各種ボイラにおける耐食・耐摩耗溶接材料の実機による特性評価
後平 翼白石 陽一青田 利一
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キーワード: U4ボイラ, U0その他
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2017 年 71 巻 2 号 p. 147-152

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抄録

各種ボイラにおいては燃料および稼働条件に因り,ボイラ水冷壁パネルの表面に腐食,浸食等の損傷が発生し,設備の稼働率低下およびメンテナンスコストが問題となっている。そこで各種ボイラの水冷壁パネルにおける損傷箇所において,当社開発の専用自動肉盛溶接装置による補修溶接を実施し,一定期間稼働後の肉盛溶接部の状況を調査した。その結果をまとめると以下の通りである。

①当社開発の専用自動溶接装置は小型・軽量・堅牢で各種ボイラの火炉内肉盛補修に適したもので,制約の多い条件下での損傷表面の補修に有効である。

②腐食および浸食環境下の水冷壁パネルに,Alloy 625およびAlloy 622のNi基溶接材料を用いた肉盛溶接金属は,海外の事例と同様に,減肉対策としてきわめて効果的である。

以上の結果より,当社が開発した自動肉盛溶接技術は各種ボイラの損傷個所の補修に有効であり,Alloy 625等のNi基の溶接材料による肉盛金属部は腐食,浸食等の損傷に対する抜本的恒久対策になり得ることが確認できた。今後の各種ボイラの計画的メンテナンスにおいて採用が期待される。

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