紙パ技協誌
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省エネルギー特集 II
熱回収ソリューション『水熱利用システム』による省エネ検討プロセスと導入事例
田熊 康秀田村 翔
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ジャーナル 認証あり

2018 年 72 巻 7 号 p. 699-704

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抄録

年々ニーズが高まる省エネ対策において『熱』は重要な要素である。当社では様々な業種の工場を顧客に持っているが,ほぼ全ての工場において排水や冷却水,地下水等が持つ『水の熱』が有効利用されることなく捨てられている点に着目した。そしてその『水の熱』を回収利用する熱回収ソリューション『水熱利用システム』を提案している。水熱利用システムは,ヒートポンプ技術や独自のシステム検討ツールにより,従来とは視点を変えた熱回収システムを構築することで,行き詰まり感のある工場の熱利用に係わる省エネを更に進めることが可能である。

水熱利用システムは,①低温側から高温側への熱移動,②高効率熱源機,③温・冷水同時供給という3つのポイントにより従来とは異なる熱回収利用を行う。また,熱回収システムの導入で最も大切なプロセスである,工場内の〔熱回収〕と〔熱利用〕ポイントの検討では,『熱マップ』等の当社独自ツールを用いて,省エネ効果が最大限発揮できるシステムを構築することが可能である。

これまでの納入実績におけるエネルギーとCO2排出量の平均削減率は,エネルギー使用量52%(原油換算),CO2排出量53%となっており,大きな削減効果を実現している。

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