紙パ技協誌
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総説・資料
数値による色のコミュニケーション
岡松 英二
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キーワード: Q6紙板紙品質試験法
ジャーナル 認証あり

2025 年 79 巻 11 号 p. 985-990

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抄録

製紙業界において規定されている色やISO白色度は,ラボでの用紙の検査・測定に使用されているが,印刷業界ではより簡便な仕組みとして,デザインから生産に至るまでのサプライチェーン全体で色の一貫性を保つため,色を数値的に捉えてコミュニケーションするツール(ハンディー測色計,ソフトウェア)や規格が存在する。

これまで色は見た目のビジュアル評価で管理されてきたが,視覚による色の評価は,照明条件や観察者による違いにより安定した色の管理が十分に行えない。目視評価を中心としたカラーコントロールでは色の偏差が積み重なり,最終的に印刷した色がターゲット色と大きな色差に繋がるため,色を数値(L*a*b*)で管理することが推奨されるようになってきている。

数値によるカラーコミュニケーションとしては,分光濃度・測色計eXact 2などの測色計を使用して,ターゲット色とサンプル色の色彩値のCIELab(L*a*b*)を測定し,発注者が定める「色差(ΔE)」の許容範囲内で色が生産されているかを確認するようになってきている。

PANTONEによる色指定も普及していて,PantoneLIVEクラウドライブラリを使用して,各色に用意されているL*a*b*や分光反射率がターゲット色として使用されている。さらに,定期的に測定精度の確認と最適化を実施するNetProfilerというツールにより,高い精度を担保した色の判定が可能な環境が整ってきている。

eXact 2に代表される印刷業界の向けの測色計は,45/0の光学幾何条件であり,製紙業界のラボで使用されるD/0とは測定値が異なるが,増白インデックス,TAPPI452,隠ぺい力など,紙の簡易的な品質チェックに便利な機能が搭載されており,より多くの現場で色の数値化を進めるツールとしての活用を提案したい。

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