1969 年 23 巻 7 号 p. 272-282
紙の表面に,相対屈折率約1.5の接着剤を塗布した透明粘着テープ(たとえばセロテープ)を圧着し,紙面の法線に対して約55度以上の角度から光を照射すると非常に特徴的なパターンが観察される。このパターンは紙の印刷性を評価する上に極めて効果的な現象であり,さらに,たとえばフライイングスポット(Flying Spot)などの手法を用いてパターンを走査し,その反射光強度を自記記録させることにより容易に定量化することが可能である。また,その結果はI.G.T.印刷法による官能検査と高い相関があることが認められた。著者は,本方法を“テーププリント法”(Tape Printing Method以後略してT.P.法と称する)と名付けた。
本報は各種印刷紙に対してT.P.法を適応した場合の観察状況,並びに観察結果に対する定量化の手法と考察などについて記述されており,これについて逐次報告したいと思う。