紙パ技協誌
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TMP製造におけるプレッシャライズドリファイニングの最適化
橋本 文雄野島 哲沖 良道
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1979 年 33 巻 6 号 p. 384-392

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抄録
製材用輸入丸太の背板から作られたヘムロックチップを主体とする混合N材チップを原料として, 製造されたTMPの品質は, 同原料から製造されたRMPと比べ, 優れたものが得られた。
リファイニングシステムは, 日立造船-バウアーの標準的な2段リファイニングシステムである。加圧形1次リファイナーのプレートはバウアーの基本パターンを使用したが, 最初1次リファイナーの安定した負荷率は, 最大60%程度に制約された。
1次リファイナーの負荷を向上させるため, 運転条件及びプレートパターンについて, 種々検討が行われた。
プレートパターン設計のため, 数種類のプレートで順次予備実験を行った。この過程で, リファイニングゾーン入口の原料濃度を, 17% (蒸気凝縮を除外すると20%) に下げ, 70%まで負荷率を増加できた。
予備実験の結果に基づき, 4種類のプレートを新たに1セットずつ準備し, 背板から作られた輸入スプルース, その他のチップからなる混合N材チップで, リファイニングテストを行った。2種類の新しいプレートパターンで平均90%の負荷がかけられるようになった。
得られたパルプの強度は, 基本パターンのプレートの場合と比べ, 裂断長で10~15%, 比引裂強さで5~10%の向上が得られた。2つの新しいプレートにより, リファイニング動力原単位は, 少し減少の傾向が見られた。1次リファイナーの負荷割合は, 2次リファイナー出口のパルプフリーネスを一定とするとき, 44~53%の範囲では, 大きい程パルプ強度が向上するが, 所要リファイニング動力も増えた。
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