1980 年 34 巻 11 号 p. 743-749
クラフトリグニンが酸化剤一亜硫酸ナトリウム処理によって, 極めて容易に水溶性化しうること, およびそれがサルファイトラジカルによるラジカル的スルホン化反応によると考えられることを, 前報において報告した,,しかし, 前法において用いた酸化剤がいずれも有毒であることが, 本法の実用性を考えるうえで問題となる。本報告においては, 有毒成分を含まない2価または3価鉄塩一過硫酸塩一亜硫酸塩系によるクラフトリグニンのスルホン化反応について検討した。さらに本法によって得られるスルホン化クラフトリグニンの分散能および表面張力低下能について, リグニンスルホン酸塩のそれと比較検討した。