抄録
今日, 化学パルプの製造法はKP法といわれるほどKP全盛時代になっている。KP法は1879年に発明されたもので, 120年を経過して今日の隆盛を迎えたことになる。1998年の統計では, 日本の化学パルプの生産の99.7%がKPとなっている。SP法の発明はKP法より10年早かったが, 蒸解薬品の回収再生が困難であるため, KP法が主流となっているものともいえる。パルプ繊維特性については, 漂白性, 叩解性等, SPにはKPより優れた特性を示すものもあり, SPとKPの差を検討することも, 新しい蒸解薬品を検討する上で必要なことと考えられる。本報では, 木材の化学パルプの蒸解法がどのように変遷してきたか, どのような特殊蒸解法が検討され, 実用化され, 現在どのような研究が進められつつあるかを, 蒸解薬品, 蒸解添加薬品について, 地球環境に優しい技術としての観点もふくめてまとめてみた。