2003 年 57 巻 11 号 p. 1622-1629,015
10年前, ほとんどの製紙会社では制御のし易さと安定性の理由でシステムは大容量でなくてはならないという認識であった。抄替え時の短縮化を図るため本論文の筆者はコンパクトな抄紙機ウェットエンドシステムの開発を開始した。その結果はコンパクトであることはより広範囲な面で有利であることを示している。Voith社によれば「世の中の流れは今逆の方向で, 即ちシステマチックな白水回収と個別の白水フローをシステムへ直接戻す方向にむかっている」。POMテクノロジー社のパテントにより, それが脱気された形で実際に行われ, 既に17基の設備を通して実証されている。本論文ではこれらの設備から得られた経験を元にPOMコンパクトウエットエンドシステムの内容を更に掘り下げて紹介している。