昨年の秋に製紙産業の二酸化炭素排出量の算定法についての意見交換と日本の製紙産業の温暖化への取組み状況把握のためNCASIの副社長であるReid Miner氏が来日した。この報告は, 平成14年11月20日に銀座大和ビルで行われた紙パルプ技術協会主催の講演会の内容をもとに演者によってまとめられたものである。
NCASIとは北米の製紙・木材産業が基金を提供して運営している非営利の環境研究機関である。1943年に設立され, ノースカロライナの本部を中心に全米5カ所に研究施設を有し, 2002年にはカナダに支部を開設している。1970年代から製紙工場排水の環境への影響について広範囲な調査研究を実施してきたが, 近年は大気を含めた環境全般に研究範囲を拡大し, 米国環境保護庁 (US EPA) とも密接に連携した研究活動をおこなっている。