紙パ技協誌
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オンライン化による抄紙機の生産性向上
LWC, SC, 上質コート紙のオンライン化コンセプト
藤原 洋
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2003 年 57 巻 6 号 p. 837-844,022

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抄録

抄紙機の生産性向上は多様な方法で実現できるが, 最新技術を導入した場合より高い生産性の向上が可能となる。その主要な技術として, オンライン化技術がある。これはオフライン工程をオンライン化することで製造プロセスをシンプルにし, 生産性の向上をはかるものである。
品質アップを考えない場合には, リールまで一貫したオンラインプロセスで製造することがもっとも効果的な生産性向上策である。オンライン化は設備投資額の削減, ライン全長の短縮, ランニングコストの削減にもつながる。最新の塗工抄紙機はほとんどがオンライン仕上げかプレコートを行っており, オンラインコーティングは大きなリスクとはなっていない。また, ポリマーカパー及びオンラインマルチニップカレンダの開発により, 高速でのオンラインカレンダリングでも良い表面性状を得ることが可能となってきている。通紙についても, 新しい通紙装置が開発されオンライン化のボトルネックではなくなっている。このような技術的進歩により, 設備の目的や固別条件に合致すればオンライン化は生産性向上に最も有効な手段となる。本報ではオンライン化の現状を具体的なデータを交えて紹介するとともに, オンライン化のコンセプト, オンライン化の特長, LWC, SC, 上質コート紙についてのオンラインレイアウト及び適用設備を紹介する。

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