紙パ技協誌
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製紙機械のトータルオートメーション
大島 賢治
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2003 年 57 巻 8 号 p. 1117-1121,027

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抄録

近年, 各種製造業界では, “オープンネツトワーク”, “マルチメディア”, “IT”といったキーワード下で, 工場全体の集中管理化, 自動化が推進されている。製紙業界に於いては, プロセス制御システム, ドライブ制御システム, 品質管理システム, 設備保全管理システム, といった種々のシステムが発展, 確立しつつあるが, それらはほとんど個別メーカによる個別システムである。同一ネツトワークに接続し, 計装や他の設備とドライブ装置間でデータを共有するケースもあるが, 基本的には独立しており, その情報の共有化や活用といった意味では一部分である。また, 通常メーカが異なると, PLCや周辺機器が異なり, ハードウェア, ソフトウェア, エンジニアリングツール, 必要とされる知識など全てが異なる。それは時には, トラブル発生時の問題解決への道を複雑化したり, 有効なシステム活用を阻害したり, 保全, 管理上の負担要因の一つとなるケースも有り得る。本稿では1種類のPLC, HMIにより前述の殆ど全てのシステムを実現しているドイツ・シーメンス社の実例を紹介する。
また, 制御装置の安定運転やトラブル発生時のダウンタイム短縮のために, 近年, PCとネットワーク機器を活用したマルチメディア技術によるリモートメンテナンスやリモート診断が, 製紙業界にも浸透しつつある。本稿では当社のリモートモニタリングシステムを併せて紹介する。

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