抄録
L・P3は世界最古の株細胞L-929の亜株で、無蛋白無脂質完全合成培地で30年余継代培養されてきた。L・P3・31は31℃ 恒温で培養するうちに、その環境に馴化して増殖系となったし・P3亜株である。
L・P3・31は完全合成培地中では週2~3倍の増殖率を保ち、牛胎児血清とインスリンの添加により増殖を促進される。EGF、トランスフェリン、グルタチオンは増殖促進作用を示さなかった。原株L・P3が染色体数最頻値を60本近辺に安定に維持しているのに対して、L・P3・31は染色体数最頻値が100~104本に移行していた。染色体核型には著明な変化はみられなかった。