専門日本語教育研究
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論文
中国人日本語学習者の説明的文章の論理展開に関する自己推敲の調査・分析
劉 偉
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2009 年 11 巻 p. 31-38

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抄録
本稿は、中国の大学の日本語学習者(CLJ)が作成した139編の説明的文章の自己推敲について調査・分析を行った。自己推敲を3レベルと5項目に分類した上で、推敲前後の文章量、推敲の頻度、および各被験者の論理展開に関する推敲の傾向について量的分析を行い、かつ論理展開に関する推敲が見られた具体例の質的分析を行った。量的分析の結果、推敲後の文章量が増え、「表面的推敲」が多く、「情報の調整」と「標識と配列の調整」が一定の割合(7:3)になっていることがわかった。質的分析の結果、「標識と配列の調整」の効果、被験者の推敲箇所の影響範囲への認識不足や、文章ジャンルに適した論理展開への配慮の欠如、等の問題が判明した。以上から、CLJの自己推敲を含んだ「論理展開の表現」の指導項目として記述内容の論理性およびそれと表現との整合性を取り入れることを提案した。
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© 2009 専門日本語教育学会
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