2009 年 11 巻 p. 45-50
本報告は、日本企業への就職を目指す留学生が、日本人の労働意識やキャリアパスについて学ぶために実施したビジネス日本語授業の報告である。留学生らは学期中、企業人に質問したい項目を日本語で討論・作成し、企業人の家庭を訪問してインタビュー活動を行い、その結果を大学に戻り発表報告するという一連の活動を質問内容と訪問先をかえて3回実施した。日本企業で働く人々に自らが考えや意見を直接聞くというこの活動は、留学生に働くことの意義や職業選択の決定要因を熟考させる機会を与えただけでなく、日本語使用の面でも実践練習の場となり、人への配慮や敬語表現等のコミュニケーションスキルの習得においても効果が期待できるものとなった。