抄録
本稿は、医学系授業と連携した医学日本語授業の実践報告である。これまで日本語が中級レベルの医学部留学生に対する日本語教育は報告がない。そのため、コースデザインにあたり医学教員らに対してニーズ調査を行った。その結果、医学部留学生に必要な日本語能力は、「聞く」「話す」「読む」能力であり、それらを支えるための「医学用語」の習得が重要であると考えられた。そこで、学習目的を「聞く」「話す」「読む」の活動を通して医学用語の習得・定着を図ることとし、医学日本語授業を計画し、医学教員らの協力を得て、実施した。授業は、英語で学んだ医学知識をもとに日本語で発表する活動を中心とし、医学書の読解やレポート作成を組み合わせて構成した。学期ごとに授業評価を実施し、改善を繰り返しながら約1年間授業を実施した。今後の課題として、評価方法の検討、学習項目とその提示順序の再検討、コース終了後の留学生への聞き取り調査の3点が挙げられる。