Journal of Traditional Medicines
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Comparative study of chemical constituents of the traditional medicine hochuekkito by LC-MS with multivariate statistical analysis
Ken TANAKAAtsutoshi INAYuko OHTA
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2009 年 26 巻 4 号 p. 179-186

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抄録
第十五改正日本薬局方で新たに収載された補中益気湯の 6種類の方剤について, 高速液体クロマトグラフ高分解能質量分析計 (LC-IT-TOF) による成分の網羅的解析を行った。 さらに, 得られたスペクトルデータをアレイ化し, 主成分分析による成分パターンの違いについて詳細に検討した。 その結果, 補中益気湯に含有される主要な成分として45化合物のアノテーションを行うことができた。 また, 主成分分析の結果, 方剤化に用いられた蒼朮と白朮の違いに由来して, acylsucrose の含有パターンに顕著な違いが認められた他, 陳皮由来の hesperidin の含有量など 9 化合物の含量に大きな変動が認められることが明らかとなった。 市販の補中益気湯製剤 3 種について分析したところ, acylsucrose の含有パターンと陳皮由来の hesperidin の含有量に顕著な違いが認められた。 本研究成果は, 高速液体クロマトグラフ高分解能質量分析計 (LC-IT-TOF) による成分の網羅的解析結果を基にしたフィンガープリント解析と多変量解析の組み合わせは, 新たな和漢薬評価法として有効であることを示すものであった。
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© 2009 Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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