微量栄養素研究
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Print ISSN : 1346-2334
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血漿および脳中ビタミンK濃度の性による違い -肥満ラット(Minko rat)に関する研究(10)-
武田 厚子平池 秀和初回 直樹上野 菜採今西 雅代武田 隆司武田 隆久玉井 浩木村 美恵子
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2002 年 19 巻 p. 67-70

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抄録

血液凝固系に関与するビタミン K (VK)欠乏による新生児消化管出血や乳児頭蓋内出血は,母乳栄養児に多く1) 2),母親のVK摂取不足や,母体血中VKの胎児への移行が低いこと等3) 4)が主な原因と考えられている。脂溶性であるVKの吸収はリンパ系を介して行われ,十二指腸と空腸から吸収された後,カイロミクロンにより,目的臓器に運ばれるが,脂質吸収の障害をもたらす条件下では,VKの吸収も阻害されるなど,VKと脂質代謝は密接な関係にあることが報告されている5)。また,我々は1992年,Wistar系雄ラットを用いた栄養実験中,体格の非常に大きいラットを見出し,継代飼育し,Minkoラットと命名,現在,32世代を経ている。本Minkoラットは,高体重,高中性脂肪・高コレステロール血症,腹腔内への高度の脂肪蓄積など脂質代謝異常を特色とする。今回,遺伝的に脂質代謝異常をもつと考えられるMinkoラットのVK栄養状態(血漿中及び脳中VK濃度)について,対照群ラット(Wistar系) と比較検討した。同時に,VK濃度の性差についても検討した。

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